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アニメ艦これの感想とか

アニメ

続編製作決定!……え、マジで?>挨拶

ここ2,3年位アニメをリアルタイムに見るという事をしなくなって久しいのですが、そんなアニメ意識低い自分でも実は艦これアニメだけはしっかりと追っていました。当然それはアニメ化への期待値の表れだったのですが……。既に各所で色々と言われていることですがそれでも書かずにはいられない!!
と言う事でここでは今更ながらアニメ艦これについてぶちくさ書いて行きます。
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シリアスとコミカル。その両立は難しい

艦これはプレイヤーが多く多種多様、そして同人人気も高く大変多くの二次創作が行われている。また公式で出ているコミックや小説もまるで戦記モノのような重厚なものがあると思えば戦闘なんてそっちのけで鎮守府でのゆるーい生活が描かれていたりとその方向性も様々。それはつまり、提督の数だけ自身が思い描く"ぼくのわたしの艦これ"像が存在しているという事に違いない。そしてこの"公式として提示する情報を最小限とすることでいくらでも妄想を膨らませる余地を残す"という要素が艦これがこれだけの人気を博している理由でもあるだろう。
アニメ艦これはそういった提督達の世界観を壊さないようになるべく最大公約数的に"戦闘"と"日常"、そのどちらもいいとこどりを狙ったと思われるが、この二つの要素は相いれないし、二兎追うものは一兎もえず。日常系アニメで人の死を扱うのは相当なチャレンジだと思うし(全力でネタに走るか、感動に引き込むかしかないだろう)、逆に戦争モノでマッタリした日常はギャップがありすぎる。はてさて、無謀とわかりつつ挑戦する艦これの運命やいかに!?

原作ブラウザゲーム版が提督が鎮守府に着任するところからゲームが始まるのと異なり特型駆逐艦、吹雪が鎮守府へ着任するところから始まるアニメ版艦これ。一、二話では新たな環境に緊張する吹雪が鎮守府での生活に馴染んでいき、また駆逐隊の仲間たちとの絆を深めていく姿がえがかれています。

ところが初の出撃もなんとか無事に乗り越えたと思った矢先、三話で突然の悲劇が降りかかります。吹雪のルームメイトで大の仲良しである睦月の大切な友人、如月が轟沈してしまうのです。ただこの時点では如月を嫁にしている提督方には申し訳ないが、別にレイシア的にはそこまで強く批判的な評価にはならなかった。むしろ「ただのキャラアニメだと思っていたら結構踏み込んで頑張るんだなあ……風当たりは強いだろうけどガンバレ!」とさえ思っていました。だって死亡フラグも結構見え隠れしていたしw

W島攻略作戦!における如月の轟沈

ただ問題はこの"艦娘の轟沈"というショッキングな出来事のその後の扱いが余りに雑すぎる点。
三話のラストには轟沈してしまった如月の帰りを待ち続ける睦月の姿。姉妹のように仲の良かった親友の死、と言う重大事件をどのように処理していくのか、そして仲間を失った水雷戦隊の御通夜ムードをどのようにして払拭していくのかが気になるところで次回予告。
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第四話のタイトルは"私たちの出番ネ!Follow me!"。金剛型4姉妹にスポットが当てられることは明白ですが、なんだこの無駄に明るいタイトル……。

この時点で不安がよぎりましたが、多分原作ゲーム版の様に"私が死んでも変わりはいるもの"みたく轟沈した如月ちゃんとは別の如月ちゃんが何事も無かったかのように鎮守府に着任して泣いて喜ぶ睦月。しかし如月は睦月との約束を覚えていない所か、どこかよそよそしい。この如月はどうやら今までの如月とはどこか違う……。疑問を覚えた吹雪と睦月は調べていくうちに、驚くべき艦娘の存在意義へと直面する――なーんて感じに、沈めてしまったとしてもすぐに代替の子が得られてしまう轟沈システムの抱える問題への掘り下げは流石に期待しすぎだとしても艦娘にとっての死である轟沈について色々と思う所のある展開になると信じて疑いませんでした。
が、ふたを開けてみれば能天気に提督室ではしゃぎまくる金剛4姉妹の姿が……。いや、このお話だけを見れば楽しめたんですよ!?榛名は可愛かったし喋ったしもうそれで満足と言うか。でもさ、これって轟沈した直後にやる話じゃないですよね!??
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悲しんでいるのも主に長門と睦月だけで、鎮守府があまりににぎやかで平和すぎて、共に戦った子が死んだにも拘らず悲壮感が無さ過ぎる。
死亡したキャラクターと大の仲良しキャラが悲しみに暮れる中で普段通りにぎやかな鎮守府、という構図を見ていて思い出した作品がありまして。それはアニメ、機動戦艦ナデシコスパロボプレイヤーにとってはお馴染みの作品なんだけど、そこそこ昔のアニメ作品故それ以外の方には???状態になるだろうから、どんなものかを軽く触れておきましょう。

機動戦艦ナデシコにおけるキャラクターの死


機動戦艦ナデシコ OP(ノンクレジット) - YouTube

ナデシコの主人公、テンカワ・アキトはナデシコのコックとして乗艦するはずだったがひょんなことから人型兵器エステバリスに乗って敵と戦う羽目となってしまう。戦う事に否定的なアキトは嫌々戦闘に参加するのだったが、この時に同じくパイロットとして戦うダイゴウジ・ガイと意気投合する。
ガイはアキトが大好きなアニメ、ゲキガンガーのパイロットになりきって戦うというちょっとヘンで困ったヤツなのだが、ガイがハイテンションに戦う姿を見ていくうちに感化され、アキトもパイロットとしての職務を全うしようとし始める。が、第三話のラスト、ガイはナデシコから脱出しようとするスパイの将校を発見、何が何だか把握すら出来ない内に撃ち殺されてしまう。
わざわざナデシコを引き合いに出したのはどちらも主要っぽいキャラクターが三話にあっけなく死んでしまう、と言う共通点ではなくその死が作中で持つ意味について正反対の印象を持ったから。
ナデシコの劇中劇、ゲキガンガーと言うのはゲッターロボマジンガーZを足して二で割ったような、気合と努力と熱血と根性!!といったノリのいかにも昭和テイスト全開のロボットアニメとしてえがかれている。その作品をこよなく愛するガイなのだから戦いの中で死ねるのならば本望かもしれないが、実際は戦闘要員であるにもかかわらず全く関係ない事態で命を落とすことになってしまう。そして普段の言動から問題児であったガイはナデシコクルーの他のキャラクターからは煙たがられており、その死を心から悼む者はアキトだけと言う寂しさである。ガイの死後もいつもとあまりにも変わらないナデシコ艦内の騒がしい雰囲気に耐えきれず、人が死んでるんだぞ!と他のクルーに食って掛かりアキトは再び戦う事へ拒否反応を示してしまうのだが、この話だけを聞いているとアキト以外のキャラクターが冷血なような印象を受ける。しかし見てもらうと分かり易いのだが、ガイは余りに暑苦し過ぎる如何にもなネタキャラな印象で、そんな反応にも一応納得出来なくはない。艦内で悲しんでいるのがアキトだけなので、おかしいのはむしろアキトの方なのではないかと言うような雰囲気も見て取れ、このあたりキャラクターの死ですら一種のネタに昇華してしまっていると言っても過言では無いように思う。一方でガイの死がアキトが戦う事へのトラウマとして苛み、その後も度々回想されるのだが、最終的にはそれを振り切って戦う決心をする。つまり一見犬死にしか見えないガイの死はアキトの心の成長の一助となっているのだ。

史実に基づく描写である、と言う点以外の轟沈の意義

結構長くなってしまったけれど、ここで艦これに話をもどそう。同じく三話で死亡した艦これにおける如月の轟沈(≒死)はどのような意味を持っていたのであろうか。
視聴時は4話のノリの軽い話を見ていて、いやこれは実は轟沈していなくてやっぱりまたその内平気な顔をして再登場するのか、とか、はたまた深海棲艦となっていてライバルとして襲い掛かってくるとか、睦月の危機に際して如月だったころを思い出し敵でありながら颯爽と駆けつけてくれるなんて展開だったら熱いな!!と妄想全開だったのですが最後まで結局そんなこともなく。
現時点では、このアニメ版艦これの世界でも戦いで死ぬことはありますよ、そして一度沈んだ艦娘はもう戻ってこないですよと言う二つの情報を視聴者に提供し、吹雪に戦いの恐ろしさを伝えただけだったように思う。またまどマギで世間を騒がせたように三話辺りで衝撃の展開を持ってくることで視聴者の心をつなぎ留めんとする手法や、睦月の仲良しポジションに如月の代わりに吹雪が滑り込んだという結果もあるのだが、万が一これを目的としての如月轟沈だったのだとするとそんな目的のためにに安易に、しかもそのキャラクターへの愛着を持った人間が少なからず存在する事を理解してなお退場させようと考えた製作陣を残念に思います。ストーリー的にどうしても親友ポジションが必要なら他の吹雪型駆逐艦で何とかなるわけだし。

あまりに存在感の薄い提督像

提督は鎮守府における最高司令官であり、艦隊編成と鎮守府運営の手腕が思う存分発揮される!はずなのですが、アニメ版艦これで提督の詳細に指揮する姿は一切出てきません。秘書官である長門が意向を伺いに提督室を訪れた時に輪郭や影でこそ出てくるものの、声は一切発さずどのような人物なのか具体的な描写も無し。長門が提督のご判断とやらを元に陣頭指揮をする。
これは本来提督=プレイヤーであり、ということで老若男女様々な提督がいるため、提督像を特定の層に限定してしまうような情報を敢えて一切出さないように配慮した結果だとは思います。
ところがアニメ版では放送中から提督無能説まで飛び交う始末。と言うのもしょっぱなから如月を轟沈させてしまったものだから言われても仕方がないのだが。(ゲーム版艦これでは大破状態にも拘らず無茶な進軍をして次の戦闘で被弾すると発生する為、基本的に轟沈の原因の一切はすべて提督の進軍撤退の判断ミスによるものとなっている)
歴史の修正力に抗おうとしていた可能性などもある為実際に無能であるか否かはさておき、敢えて提督像を薄くするという配慮によってストーリー進行上度々何とも言えない気分になるのも確か。途中提督は鎮守府が爆撃されたことにより失踪しますが、自分たちの分身ともいえる存在であるにもかかわらず一切姿を見せず何の感情移入もできないため、その事の重大さの割に見ていて「ふーん」と軽く受け止めてしまいました。それに拍車をかけたのは復旧作業に励む艦娘たち。別に提督が居なくなったからと言って嘆き悲しんだりどうしていいかわからずオロオロするものもいない。各自が自分の判断でちゃんとできる仕事を見つけ出して自発的に働く事が出来ている。この艦娘たちの姿と指令室が焼け落ちた以外はいつも通り運営される鎮守府の姿をみて”提督なんていらんかったんや!”となったのは自分だけでしょうか。
もしかするとアニメ中の提督のお仕事と言うのはもっと戦術的な側面が強く、現場の指示は秘書官やリーダーシップを発揮できる利根などに任せていたのかもしれませんけども。
しかし提督の印象が薄く感情移入できないという弊害は変わらず。金剛の提督ラヴもなんだか薄っぺらいように見えたし、そもそも吹雪が一生懸命頑張る理由は提督に声をかけられたからと言うものだったり、最終決戦時に窮地に陥った艦隊の前に援軍を連れて戦線復帰するというアツい展開にもどこか他人事のように思えてしまうのは残念。

ポケモンの進化じゃないんだからさー

たぶん試聴した提督方には分かって頂けると思いますが、もちろん改装の話です。
もうなんか多くを語るのもアホらしいのですが、最初夕立が光り出して改装した下りはリアルに笑いました。経験を一定以上積んだら「おや、夕立のようすが!?」ってそれポケモンやんけ!!!
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で吹雪ちゃんも経験値が足りないから赤城さんと演習することで見事獲得、改になりましたってことだけど。いや確かに改装にはレベリングして経験値得る必要があるのも分かるんだけど!!
もうちょっと他の表現方法無かったのかなぁ……。。

あなたが公式作品なんだから、もっと堂々としてもいいのよ?

先の日常モノと戦闘モノのいいとこどりにしても、存在感の薄い提督の話もそうだけど、艦これのアニメを見ていて思ったのは『守りに入っているな』、と言うこと。
結局作中では未だに明かされていない正体不明の深海棲艦の起源や戦争に至った経緯などと言った情報や、そもそも艦娘という存在についてだったり艦娘は何のために戦っているのかと等、これらについて触れられることはありませんでしたが、もっと踏み込んでくれても良かったかなと思ったり。
また同人等二次創作で主流のキャラクター設定を逆輸入するんじゃなくて、一本筋の通ったキャラクター像を示して欲しかった。
もちろんそういった追加の公式設定をすることで(特にキャラクターについての掘り下げは)反発を招く恐れはあるけれど、特に先の世界観や設定に関してはもっと積極的に「艦これの世界ってこういうものなんですよ!」と思い切って提示してくれても良かったのになぁと思わずにはいられません。吹雪たちが歴史の修正力、定めのくびきから解き放たれた一方で製作陣はアニメ版に寄せられる期待の重圧に縛られてしまったようです。

文句ばっかりだけど実は結構楽しんでいたり

長々と不満を書いてますが、じゃあなんやこのクソアニメ、提督は見たらアカンやつや!!って思ってるわけじゃなくてむしろ逆。
アニメーションとしての出来は(近年のアニメ見た絶対数が少ない自分としては)相当の物だと思いますし、キャラクターの数が多いにもかかわらず作画崩壊もなく安心して見続けることが出来ました。それに何よりも、あの榛名が!響が!!瑞鶴が!!!どの艦娘たちがよく動く動く!!もう提督的にはこれだけで満足だったりw
艦隊戦はおそらくCGモデルなのですがそちらの違和感もほとんどなくて戦闘モーションも何度も見返したくなるほど素晴らしいものがありました。
出撃の際の艤装取り付けシーンはまるで魔法少女の変身シーンの如く素晴らしい出来でしたし、また入渠や高速修復材といったゲームならではの要素もよく映像に落とし込んだものだなぁ、と感心します。
そしてオムニバス的に第六駆逐隊も活躍させてくれたり、瑞鶴と加賀による一航戦と五航戦のいさかいに関してもシナリオの軸に取り入れつつも二人が張り合いながらもお互いを認め合っていく姿には感動しました。とくにラストでピンチに駆けつけるシーンなんてもう最高でしたね!!
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あとは砲撃だけでなく金剛や大井っち、そして最終話で長門νガンダムばりに格闘からの連続攻撃をしみせたり、メガネを取った霧島といった遊び心にも楽しませてもらいました。
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二期が続編になるのか、それとも全く別の作品になるのかは全くわかりませんが、まったりと楽しみに待ちたいと思います。