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花の野に咲くうたかたの 感想

あつい……>挨拶

ここ数日気温が平気で30℃を超えるもんだから堪りません。まだ六月だというのに連日の真夏日とは……。例年こんな感じだっけ?そろそろオーディオ的に厳しい季節になって参りました。私の場合、流石にエロゲプレイ中は(えちぃシーン以外でも)窓を閉めながらプレイしているもんだからもう室温が暑いのなんの。。とまぁそんな暑さにもうだりながらも夏本番が訪れる前に過ぎ去りし春を思い出すべく?"春ゲー"をプレイしていってます。
それで昨日、花の野に咲くうたかたのを完走しました。一言でいうと。あれ?思ってるのと違う……。あ、まーた始まった……って思ったでしょ!?いやいや、仰りたいこと解りますよ。事前の期待と違うじゃん!って私よく暴走するパターン多いし。今回だってあっぷりけだしきづきさんだし伝奇伝承要素色々入れてくるしと言う事で期待感MAXで喜び勇んでプレイしたんです。でも流石のレイシアもちょっとは年を重ね経験を経て少しは大人になったのです。もう自分の先入観と価値観だけで判断してむやみやたらと批判しまくるのは卒業したハズ…!しかし……今回のはなぁ。うーむ。。

花の野に咲くうたかたの(あっぷりけ)

★★★☆☆  お気に入り:桜花

GOOD

魅力的なヒロイン(特に桜花、麗奈との距離感)、素晴らしいキャスティング

BAD

プロローグがクライマックス、シナリオがコンパクトにまとまりすぎて盛り上がりに欠ける、サブヒロイン(メインである桜花以外の4人)シナリオが短く浅すぎる、フローチャートシステムの形骸化

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総評

作品を評価する上で過去作と比較すること自体の是非はさておき、本作でも莉都やさくやのような"主人公の事を深く理解してくれている知的なメインヒロイン"、月光館のような"心温まる帰る事の出来る場所"の存在や、毎度おなじみ"フローチャートシステム"も健在で、伝奇的で推理話が挿入されているシナリオも合わさって、プレイしていると過去のあっぷりけ作品を彷彿とさせ、"コンチェルトノート"と"黄昏のシンセミア"のような良質で高い完成度のシナリオを思わず期待してしまったプレイヤーは私だけではあるまい。しかしあまり期待しすぎると最後まで完走した際に肩透かしを食らうに違いないと断言しておこう。

誤解が無いように書いておくと、私はあっぷりけ作品の"コンチェルトノート"や"黄昏のシンセミア"は超がつくほど大好きだ。(未プレイのプレイヤーは本作"はなのの"をやる暇があったらそれよりも是非とも先の二作をプレイして欲しい!)それに同ライターの紅蓮華もあと一息で名作になれた隠れた良作だと考えている。(紅蓮華の場合、シナリオそのものと言うよりは演出の見せ方に原因があったのだが)f:id:laceon:20160611005520j:plain
そもそも私が伝奇成分大好き人間な上に、桐月氏の描く"気心の知れたヒロイン"と主人公との絶妙な距離感でのやり取りや、どこか温かな空気感漂うテキストやシナリオが自分の感性とかっちり合うのだろうか。そんな"あっぷりけ好き"などちらかというと擁護派の人間からしても、本作には及ばない部分が感じられてならなかった。

その理由は大きく分けて二つある。『サブヒロインシナリオの扱いの悪さ』と『トゥルーシナリオのあっけなさ』である。
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魅力的なヒロインズ

従妹で幼なじみの汐音、後輩キャラの涼子 、生真面目な生徒会長の雫はある意味定番のキャラクターで普遍的な可愛さが感じられる一方、幽霊っぽくない幽霊である桜花、金髪ロールお嬢様という見た目に反して男の親友ポジションの2nd幼馴染の麗奈の二人は中々見かけないキャラクターだと思う。お話をプレイしていると彼女らそれぞれにキャラクターとしての魅力を感じられるような話運びは流石。
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特に、プロローグにおける桜花と出会いそして共に暮らすようになるまでの流れは本当に面白かった。どことなく、いろとりどりのセカイの真紅せんせーと一緒にいる時のような、妙な安心感を覚える二人の空気に惹きつけられっぱなしでした。また、麗奈の思いっきり殴り殴られる関係の幼馴染という二人の関係には心底驚かされるとともに、ここまで想い想われる二人っていいなぁと羨ましくも思った物です。
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ちなみに今作ではこのキャラクターの魅力の一員として、声優さんによる力が少なからずあったように感じられる。先の順にそれぞれ秋野花さん、アグミオン、楠原ゆいさんというキャスト群は定番キャラクターの普遍的な魅力を存分に引き出してくれるのに一役買っていたし、麗奈役の二戒堂文乃さんはクールな語り口の中で変化する感情を上手く出していたように思う。f:id:laceon:20160610200236j:plain
特筆すべきは桜花役の有栖川みや美さん。どこか悪戯で奔放な桜花というキャラクターはみや美さんのCVなくして完成は有り得なかっただろう。個人的な話だが、一時期みや美さんが声を当てている作品ばかりを集中的にプレイしたせいか、あのキンキンとした声(とくにえっちぃシーン)が失礼ながら苦手だった。プレイ前に声優さんを確認したことは無かったのだが、プレイ中OPムービーで桜花のCVを知って愕然とした。改めて聞いてみるとそうとしか聞こえないのだが、私が駄耳なのか、みや美さんがすごいのか、本当にその瞬間まで全く気が付かなかったのだ!声優さんも得意不得意があって、ある属性のキャラクターと言えばあの人、みたく同じような方向性のキャラクターばかりが演じられる事は多々あると思う。そんな属性のイメージが強すぎると、自分は同じ声優さんの他キャラクターを思い出してしまう事が多いのだが、今回は声優さんが誰だという事に一切に煩わされることなくキャラクターとしての桜花そのものをずっと味わうことが出来た事に感動している。
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サブヒロインシナリオの扱い

ヒロインズ自体は魅力的なのだ。となると彼女たちと仲を深め愛をはぐくんでいく様をじっくりとにやけながら眺めたいと願うのがエロゲーマーと言うもの。しかしその願いは儚くも破れ去る。
桜花以外のサブヒロインはちょっとした事件があってくっ付いて、そろそろヤマバが来るかなーって思ったらもうEDかよっ!!?って展開ばかりだった。
しかもその事件自体も主人公とヒロインが一緒に問題を乗り越えていくというよりは、いずれかが頑張って気付いたら解決しているみたいなあっさりした内容で、イマイチ盛り上がりに欠けるのです。エロゲにおける所謂おまけヒロインシナリオ程度と言っても過言ではない、というと分かってもらえるでしょうか。
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この盛り上がりに欠ける一因として、"主人公とヒロインの関係性変化の場面が分かり辛かった"点があげられると思いました。
幼なじみの汐音、2nd幼馴染の麗奈は当然の様に主人公とは仲の良い関係で、後輩の涼子ちゃんは実は主人公の事を追いかけるように同じ学校へ進学したことがシナリオ中で明かされ彼女も主人公LOVE勢です。一方本編開始時点で面識がない桜花と雫も出会いを経てすぐに主人公君に好感を持ってた事が明かされるため、全員が全員共通シナリオ中でエロゲでいうところの攻略が完了していたわけです。もともと主人公への好感度が高いもんだからきっかけはふとしたものでなんでもよかった、と言ってしまえばそうなのでしょうが、そのせいでプレイしているとヤマ場を経ていつの間にか想いを伝える場面に移っておりくっ付いてた感じはぬぐえませんでした。
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そんな彼女たちサブヒロインに与えられた役目はというと、主人公の異能や舞台となった地に伝わる伝承など、本筋となるであろう桜花シナリオに向けて物語中にちりばめられた伏線の回収に過ぎません。その為プレイ中は「くっそーこんな可愛い子たちをあっさりと終わらせてしまうなんてもったいないオバケが出るぞ!!いや落ち着けこれはトゥルーである桜花シナリオを引き立てるための枝葉に過ぎないんだ。彼女たちは犠牲になったのだ」と自分に言い聞かせて我慢してきたのですが……。。
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引っ張った割に残念過ぎるトゥルーシナリオ

四人のヒロインズを踏み台にして辿りついた、本作の帰結すべきさだめとして描かれる桜花シナリオ。ご丁寧にタイトル画面の背景が変わり、"花の野に咲くうたかたの"シナリオが解法されます。
私はこの演出が大好きなんですよ。だって、普通タイトル画面が変わって新しいチャプターでたら昂ぶるじゃん!これから物語が終末に向けてどの様に収束していくのか!?ってテンションあがるじゃん。でもいざふたを開けてみれば……肝心要の幹のシナリオもそこまで変わらへんやないかーーーーーい!!!!!
本編桜花シナリオからほとんど時間的な変化がない場面からスタートして、内容自体も短く物語を通しての総括とまで言える程の密度は感じらませんでした。さすがに過去編は無いにしても、あれだけサブヒロインの各ルートにちりばめた伝承ネタを拾い上げていってくれるのかなーと言う淡い期待は無残にも裏切られたのであった!うわーん。
トゥルーシナリオで用いるための演出ではなく、作品世界観、バックグラウンドの補強の為だけにあれだけの魅力を誇るサブヒロイン達を使い捨てる必要があったのか!!?これではOPver2を入れる為だけにチャプター分けしたと言われてもしょうがないではないか。
サブヒロインズシナリオがアッサリ気味だったのにもったいぶって登場したトゥルーまであっさり終わっちゃうのはちょっとなぁ……と言うかサブヒロインが浮かばれねぇよと。
というかさ、本作ってフローチャートシステムいらなかったよね?視点変わる事も少ないし、ゲーム内時間がそれほど大きく動くわけでもないし。過去作からある意味惰性的に使っているんでしょうけど、サブエピソードが分けられちゃって物語への没入が阻害されるだけで機能してなかったような気が。

とまぁ不満ばっかり書いてますが、桜花さんとの同居生活が楽しかったのは事実。プロローグではしてやられました。
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ではまたーノシ