もしも明日が晴れならば プレイメモ ~chapter2 ”鬼姫”~
もしも明日が晴れならば ~chapter2 ”鬼姫”~
機械は苦手?
生前から携帯電話はもちろんテレビの予約録画と言った機械類の捜査は苦手だった明穂だけど、幽霊になっても相変わらずなよう。律儀に改札を通ろうとするも何故か閉まったままでご立腹の明穂さん。
霊的な存在があると電子機器が誤作動をするというのは結構聞きますね。それは霊的存在がプラズマに近い性質を持つからという説もあるようですがはてさて。
千早との出会い
園芸部員は一樹と明穂の二人だけ。明穂の死にショックを受けて温室の植物の世話をするのをすっかり忘れていた一樹だったのだが、あら不思議、一か月以上放置されていたはずの草木は元気そうな様子。
首をかしげる二人だったが、水をやりに来た千早と遭遇する。
千早は合歓の木の精で、二人のことは以前から知っていたらしい。
礼を述べる二人に対し、千早は恐縮してなぜか謝罪を繰り返し、二人から逃げようとするばかり。
明穂が仲良くなるために感謝のしるしにと千早を誘って3人で街へとでかけるが、途中で千早が居なくなってしまう。校舎の屋上で一人佇む千早を見つけた一樹だったが、彼女の口から予想もしなかった事実を伝えられる。
それは、全てのことの起こり。
校舎裏の合歓の木、そこは明穂と一樹が互いの好意を確認しあった場所。そんな二人の初々しく幸せそうな様子を木の上から眺めていた一人の少女がいた。
一樹さんも、明穂さんのことも、大好きだった。
二人を見ているだけで、ちはやも嬉しくなれたのに。
――なのに。なのに、
「しあわせになるの? ふたりだけ?」
嫉妬の心が、ほんの一瞬――
疫病神だと自称する千早は明穂に死を招いた張本人だったのだ。
そんなことは露知らず、同じ幽霊としてひとりぼっちの千早を放っておけない明穂は、避けられているのを自覚しながらもなんとか会って話すために千早の良く訪れる場所で待ち続ける。日も落ちたころ、二人の前に現れたのは千早ではなく珠美だった。
合歓の木で大人しく動かなかった千早が校舎にいるのを見かねて除霊に来たのだ。(明穂がいるせいで帰れないのだが)
身を挺して千早をかばおうとする二人にあきれる珠美の口から、ちはやの事情が語られてしまう。
「自分を殺した相手に何が『友達』や」
「冗談、…よね?」
「いえ…」
「や、やだな、そうやってみんなで私を騙そうとしても…」
「明穂さんが死んだのは、ちはやのせいです。
ちはやが、呪ってしまったから。
そんなつもりじゃなかった…。でも、抑えられなくて…嫉妬…して…」
憧れていたこと、好きだったこと、ずっと前から見ていた事――
それはまるで、教会で紡がれる懺悔の言葉。
千早ちゃんが、ずっと抱え込んでいた、重たい罪の告白だったんだ。
「許してもらおうとは思ってないです。でも…言わせてください…ごめん…なさい…」
意図したものではないとは言え、恋人として過ごせるはずだった夏休み、そして輝かしい未来の全てを断った張本人が目の前にいる。それこそ恨んでも恨みきれないはずなのに、そんな彼女のために自分は一生懸命に仲良くしようとしていた。
そんな明穂の口から出た言葉は、どうしてか優しい音色だった。
「わざと呪った訳じゃないんでしょ?だったらただの過失じゃない」
「で、でも、そのせいで明穂さん死んじゃったんですよっ!?」
「しょうがないじゃない、そんなの
ヤキモチ妬かれたんじゃぁしょうがない。…だって、私だって一緒だもの」
~~
「何より、私は千早ちゃんを恨んだりしたくないのよ。
折角知り合えたんだもの。まともにお話しできる貴重な人材だし、やっぱり仲良くなりたいじゃない?」
「とにかく!私は気にしないことにした!だから千早ちゃんも気にしない!わかった!?」
もうほんと、明穂にはかなわないなぁ…。
どうしてこんなに簡単に許すことが出来るんだろうか。罪を憎んで人を憎まずどころか、そもそもその罪すらも”わかるわかる。私だってそうなっちゃうかも”と理解してすべてを包み込もうとする最早聖人の如く寛容な精神性。真似しようとしてできるもんじゃない。
明穂のこのあたりの人格形成が語られることはないんだけど、既に恋人が死んでる状態で始まるこの作品が何故か作中を通してほんわかした雰囲気に包まれているのは、この明穂の底抜けに明るい性格に寄る処が大きいんだろうな。。
こうして明穂の説得により千早は無事解放、そして家で一緒に暮らすこととなりましたとさ。ちゃんちゃん
いきなり増えた同居人に笑顔でお怒りのつばささん。このオチの部分が最高でしたw