オーディオ迷宮輪舞曲part2 〜そして私は沼の中〜

あらすじ
『好きな作品を、良い音で楽しみたいだけなのに……混迷を深めていくレイシアのオーディオ遍歴。』

当時聴きたい楽曲が自分のオーディオ機器で上手く鳴ってくれないような不満足感を常々感じていたのですが、その原因は大きく分けて二つの原因があったように思います。

一つ目は機器(主にスピーカー)のセッティングが不十分だったこと。

ところが当時自分的にはそれなりにセッティングには力を入れたつもりでした。スピーカースタンドは純正の物からKryna Stageという定評のある製品に変更し、スタンドの底面には同社のスパイクインシュレーターT-PROP、さらにフローリングが軟なのでKriptonのオーディオボードを敷く。
さらにスピーカーとスタンド上面が広い面同志の設置では振動の伝達に良くなかろうと、スタンド上面にT-PROPを取り付けスピーカーを三点スパイクで受ける。これには我ながら中々の名案ではなかろうかとひそかにほくそ笑んでいたものでした。
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オーディオにおけるセッティングというと、こういったインシュレーターやボード、ラックやスタンドのようなオーディオ機器とその振動のアイソレーションを考えがちですが、ことスピーカーにおいてはそれらよりも遥かにずっと大切な事がありました。それはスピーカーの設置位置を追い込む事。

スピーカー毎に異なる特性があり、さらに設置環境や部屋の大きさは十人十色。壁から50センチ離せばOKのような簡単な目安があるわけではないため、ただひたすらスピーカーを動かしてトライアルアンドエラーを繰り返すしかありません。

ただやみくもに動かすと言ってもどうすればいいのか分からないけれども、Web上には様々なセッティング術が見つかるのでそれを参考にすると良いかもしれません。
奇数分割法とその応用のヴァンダースティーンセッティング、理想的ではあるものの部屋の中央にせり出してくるため中々やり辛いカルダスセッティング、オーディオショップや各社スピーカーメーカのHPやマニュアルには推奨の置き方が書いている事もあります。急がば回れ、これら参考に地道に試すしかないのです。(セッティングについては今後また稿を改めて書こうと思っています)

ただし厄介なのは、システムのレスポンスが悪い状態では、「そもそも一体どのような鳴り方をすれば良いセッティングなのか」という事が分からない状態に陥っている可能性もあるという事です。そしてさらに厄介なのは、その事をオーナーが認識できていない場合。

情けない話ですが、この時点のシステムは重い足枷を嵌められた状態だった事もあって、スピーカーの移動によるセッティングの是非が上手くつかめない有様でした。そしてその足枷と言うのが、先に書いた大きな原因の二つ目、『電源環境』です。

余談ですが、このセッティングの下手くそさと電源環境の悪さを自覚する事が出来ず、他の方法で音質向上が出来るのではないかと模索していました。
評判のよさげなケーブルをとっかえひっかえしたり、
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インシュレーターをあれこれ試してみたり、
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果てはアンプのせいにしていろんな機種を導入してみたり……。
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やはり使い手の不明から目を背けて音の悪さを機材のせいにしている間は、オーディオ的な成長は見込めないような気がします。
もちろん当時はこれでも大まじめにオーディオに取り組んでいるつもりだったのですが、試聴に要した時間やコスト、そして何よりオーナーの不明で真価を発揮することなく不満足のままドナドナされてしまった機器の事を思うとしょんぼりするのを禁じ得ません。

だがしかし、それらはこれから始まるオーディオ沼のほんの序章に過ぎないのだった……。

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〈  To BE CONTINUED…//// |
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Part3はこちら
hikari-sekai.hatenablog.com