え、えくすとらばぎゃ(噛んだ

人生を感じるくらいの名作がやりたい!>挨拶

泣くだけだったら最近出たばかりのはるかかなたはクるそうだし、積んでるタペストリーを崩してみたり、あるいはうだる暑さの中過ぎ去りし冬を思い出しながらSNOWを再プレイするのも悪くない。

――――選ばれたのはEXTRAVAGANZAでした。

f:id:laceon:20060609151133j:plain

またまた凌辱ゲーですね、分かります^^

 

……ちゃうねんで!?

f:id:laceon:20140720235014j:plain

なんだよーレイシアって凌辱ゲーはめっちゃ苦手とか言いながらeuphoriaに続いてまたかよ。ほんとは女の子をひーひー言わせるのが好きな最低のドSヤローなんじゃねーの?カマトトぶってんじゃねーよ!なんて声が聞こえてきそうですが、いやはや自分でもなんで選んだのか(ry

 

本作もシナリオ評価が異様に高いので以前から気になっていた作品なので……あれ?この言い訳はこの前もしていたような

ま、まぁそんなことはともかく、内容がどうだったのかと言うとですね。

これだけは言わせてくれ…!

CLANNADが人生だとするとEXTRAVAGANZAもまた人生、かな。

……ああっ!ブラウザを閉じないで(ノ∀`)

 

いやでもまぁ実際割と掛け値なしで思っていたりすることなのですが。

このあまりに使い古された、時には嘲笑の対象としてネタにすらされてしまうコピペですが、そこには2種類の意味があると思います。一つは作品を通して得られた思想や感情、価値観によって自身の情緒形成など今後の人生をも変え得る力を秘めている作品であるというもの、そして二つ目は作中に描かれている登場人物が艱難辛苦に抗い乗り越えていく姿に心打たれ、たかが空想の産物である一キャラクターであるとと言って切り捨ててしまうには惜しいと言うもの。

ちょっと前に魔女こいにっきの感想でも書いたのですが、1キャラクターのシナリオを人生と呼ぶにはそれ相応の厚みが必要だと思います。一番分かり易いのは人物の出生から臨終までの軌跡を描くことでしょう。描かれた物語そのものがその人物の人生そのものとなります。ですがこれは求められる労力が尋常でないため現実的でないでしょう。ならば人生を描いていると呼ぶに耐えうる作品ってどんなものだろうか?って言うのを少し。

自分が人生を感じる作品としてパッと思い浮かぶ作品は、CLANNADといろとりどりのヒカリでした。

どちらも最愛の人物との別離を迎えるものの、残された2人が打ちひしがれながらも一生懸命生き、幸せな結末を諦めずにどこまでも希求していった果てにハッピーエンドが待ち受けているお話だという事。そしてその辿りつく過程で娘が大きな役割を果たしているという事。もちろん解決に至るまでの過程は大きく異なっていて、片や父親との関係を改善していくうちに父性を獲得し、片や娘の活躍と真紅の愛で自らを赦すことが出来るようになる。でもそのどちらも解決のきっかけとなるのが家族の絆によるものだというのが自分の中では大きいんじゃないのかなーっと。どちらのタイトルも驚くほど長くて、それにより登場人物により深く感情移入していることもあるんでしょうけど、それじゃマブラヴオルタは人生?っていわれるとうーん、となりますし、むしろひこうき雲の向こう側の方がはるかに短いけれども人生を感じるところから見ても、自分が作品に人生を感じる要素の一つに家族の絆と言うのもがあるんじゃないかなーと。あの薄っぺらさで物語じゃなく人生だ!と言い張る魔女こいにっきにはやっぱり納得がいかないというか(ぁ

 

話がめっちゃそれました。ヴァガンザはここでいう後者でした。主人公である夢美が偶然事故で両親を失い煉悟に拉致監禁され凌辱の限りを尽くされ、あまつさえ苗床として蟲を孕まされ出産させられるというもう冒頭部分だけでも文字にするだけで目を覆いたくなるような境遇に置かれる夢美さんですが、それでも彼女はどれだけ残酷な目に遭おうとあきらめずに常に希望を求めて自ら活路を切り開きます。

そすいてようやく手に入れた仮初めの平和。しかしそれも脆く崩れ去り再び戦いの渦中に巻き込まれてしまう……。

本作は大きく分けて三部構成で、幼蟲編→蛹蟲編→成蟲編と夢美の成長に合わせて進行していきます。全ての始まりの幼蟲編に至ってはどう見てもょぅι゛ょ18才以上の割には幼いものの、章が進むにつれ一般的なヒロインくらいの少女、そして妙齢の女性へと成長していく夢美の姿を眺めることが出来るので測らずも感情移入させられます。

そして最愛の息子?であり最高の相棒である蟲くんとの関係性の変化も見ものです。はじめは自分が蟲を生んでしまった嫌悪感から蟲くんを拒絶する(当然か)ものの、煉悟から出来損ない扱いされる蟲くんを憐み、自らの境遇と重ね合せる事でいつしか親愛の情となり、そしてルートによっては身も心も一つになって敵に立ち向かっていく。夢美が蟲くんへと注ぐ愛情と、それに対して機微を察知して触手で一生懸命表現しようとする蟲くんとの関係はやがて家族同然となり、殺伐としたシナリオの中でいつもほっこりさせられました。流石は人気投票で並み居るヒロインを押しのけぶっちぎりで優勝しただけありますね。いってらっしゃい、とばかりに触手振ってくるのとか可愛すぎじゃないですか!ああ、自分も蟲くん飼いたい産みたくはないけど

 

ちょっとした選択肢によって夢美ほか登場人物の運命が大きく変わるのも面白い部分。あっぷりけ作品で採用されている様なフローチャート式になっているんですが、これがまた細かいところまで作られてます。数々のデッドエンドは勿論、よかれと思ってアドバイスしたことがヒロインに不幸をもたらしたりと皮肉満載。

登場人物に対して本当に容赦がなく、選択肢ひとつでその後の夢美が身体欠損するか否かが決まったり、死亡かと思いきやそのまま実験台にされてしまったりetcetc……。

様々な結末がありますが、愛する人を失って森をさまよい続ける森に溶けては何とも言えない寂寥感があって好きです。

成蟲編が駆け足気味なのは残念ですが、それでも一部EDではウルッとさせられましたし、良くできていたと思います。

登場人物は話の長さの割に少ないのですが、その分とんでもなく濃い奴らばかりで、特に一度見たら忘れられない実験室の主、Dr.Westは人を人と思わぬ悪辣な実験を繰り返していながらどこか憎めない所があったり。

チベットの男こと優斗君も普通に好青年なのに青姦シーンはたった2クリックで終わらされてしまったりする一方某ルートで某人物をボコボコにしたりと思わぬ人物が思わぬ活躍をしてくれたり。

 

見ていて不快感を催すようなシーンが多々あるので到底人には勧められませんが、そういった部分を耐えられるのなら十分に名作と呼べると思います。